死亡直前でもできる相続税対策まとめ~余命1年で実施する7つの対策~

相続税対策は「できるだけ早くから始めること」が成功のカギです。

ところが、元気なうちからコツコツ対策を進めている方は多くありません。
高齢になったり病気がちになって初めて「相続税対策をしていない!」と気付く方が多いのです。

そのような方も「今さら相続税対策なんてもう遅い」と諦めないで下さい。

相続直前になってできることは限られていますが、できることをきっちりとやれば、節税することも残された家族のトラブルを未然に防ぐこともできます。

余命が短いからこそ「家族に対する想い」を込めた効果的な対策をしましょう。

この記事では、そのような方に向けて「死亡直前でもできる相続税対策」というテーマで紹介していきます。

ぜひ参考にして下さい。

対策① 預金は事前に引き出しておくべし~銀行口座は凍結される!~

まずは簡単なことから紹介していきます。

死亡する前に、預金口座から数百万円は引き出しておきましょう。

人が死亡すると、その人の銀行口座は一旦凍結されてしまいます。
遺産分割協議がまとまって誰がいくら相続するかが決定するまで、引き出すことができなくなってしまうのです。

これでは葬式費用や病院の入院代金などに預金を使うことができませんので、被相続人の口座からある程度のお金は事前に引き出しておくことが重要です。

相続税の節税になるわけではありませんが、誰もが実施できる有効な対策です。

対策② 信頼できる「相続専門の税理士」を見つけることが最重要

この記事「死亡直前でもできる相続税対策」で、1番重要な対策がこの「信頼できる専門税理士を選ぶ」ことです。

なぜなら、ここをしっかり押さえておけば、他の対策はその税理士に相談することもアドバイスに従うこともできるからです。

ポイントは、税理士を「値段の安さ」や「家から事務所の距離」で安易に選んでは絶対にダメということです
「相続」とは税理士によってその知識と経験にものすごく差がある分野であり、選ぶ税理士によって最終的にかかってくる相続税が大きく変わるからです。(数千万円の差がでることもよくあります。)

税理士を選ぶ際は必ず「相続に関する専門性の高さ」を優先し、生前から相続についてアドバイスがもらえる環境をつくることが重要です。

当人が入院している場合など、自分で税理士を探すのが難しい場合は家族が協力して行動しましょう。

相続専門税理士の探し方はこちらを参考にしてください
>>「相続税専門税理士の探し方5選」

対策③ 「遺言書の準備」こそ家族への思いやり

自分の遺産は「家族が自由に分けてくれればそれでいい」と、家族を思いやって遺言書を準備しない方は多いです。

しかしこれは間違っています。「家族に対する想い」がある方こそ、遺言書を残すべきです。

なぜなら、相続をきっかけにして残された家族が争い、家族がバラバラになってしまうケースが頻繁にあるからです。遺産が多い方だけの問題ではありません。遺産の額によらず相続の準備を行ってこなかった家族に特に多いのです。

自分の死をきっかけにして、家族がバラバラになるのはとても悲しいことです。

家族に対する想いをこめて遺言書を残し、争いを未然に防ぐ「相続税対策」を実施しましょう。

なお、遺言書の作成を支援する専門家は「弁護士」や「司法書士」「行政書士」等がいますが、相続税の申告をする際に税理士に依頼するのであれば最初から「税理士」に依頼すれば問題ありません。

特に「相続専門の税理士」であれば二次相続まで見据え、相続税をできるだけ安くする遺産分割案を提案してくれるためオススメできます。

対策④ 「孫」「息子の妻」「娘の夫」に生前贈与で相続税を節税

死亡前3年以内に、相続人に対して生前贈与を実施しても相続税の節税効果は全くありません。

税法上、過度な節税を防ぐために、死亡前3年以内に相続人に対して行われた贈与は「その贈与がなかったもの」として相続税が計算されるからです。

ところが「相続人に対して」ではない贈与であれば節税効果があります。

つまり、相続発生(死亡)が3年以内に見込まれる場合でも、相続人ではない「孫」「息子の妻」「娘の夫」などへの贈与は相続税を節税する効果があるのです。(生前に贈与することで、相続財産が減るため)

贈与税法上、1年間に1人110万円までは、贈与を受けても贈与税がかからないため、例えば孫4人に110万円ずつの贈与を実施するだけでも、110万円 × 4人  = 440万円の財産を無税で生前贈与できます。

相続税の税率は遺産の額に応じて10%~55%ですので、仮に30%と仮定しても
440万円 × 30% =132万円 1年間で132万円の相続税が節税できることになります。

余命が3年以内と想定される場合には、子どもや妻に贈与するのではなく、「孫」「息子の妻」「娘の夫」など相続人ではない人に贈与するようにしましょう。

注意
「孫」や「息子の妻」等でも、以下のような場合には死亡前3年以内の生前贈与の節税効果はありません。
◆養子にしている場合(養子にした孫は法律上「子ども」です)
◆死亡保険金の受取人にしている場合(死亡保険金の受取人は相続税の課税対象者です)

対策⑤ 贈与税の特例を利用した「一括贈与」で相続税を節税

対策④で紹介した「生前贈与」は本来長い年月をかけて毎年コツコツ行う相続税対策です。

これに対し、贈与税法では、要件を満たせば「一定金額まで無税」で「一括」で贈与できる特例が用意されております。
またこれらの特例は、相続発生前3年以内に行ったとしても問題なく相続税の節税になります。

相続まで時間がない方にとっては、毎年コツコツ贈与をする方法よりも有効な手段となり得ます。

教育資金の一括贈与

子どもまたは孫が、父母または祖父母から将来の教育資金を前倒しで一括贈与を受けた場合、後々学校などに支払う費用であれば、1,500万円までの贈与は贈与税がかかりません。(贈与は平成33年12月31日までに実施しなければなりません。)

なお、贈与をする人の年齢は問われませんが、贈与を受ける子どもや孫が30歳未満で資金を利用するものに限られます。

>>「孫へ教育資金を贈与すれば相続税の節税になります」

住宅取得資金の一括贈与

子どもまたは孫が、父母または祖父母から将来の住宅の取得・新築・増築等の資金を前倒しで一括贈与を受けた場合、以下の金額までは贈与税がかかりません。(自宅の取得などの契約が平成33年12月31日までに締結された場合に限られます。)

住宅等新築にかかる消費税が8%の場合

住宅の新築等の契約締結日
省エネ等住宅の場合
省エネ等住宅でない場合
平成27年12月31まで
1,500万円
1,000万円
平成28年1月1日~平成32年3月31日
1,200万円
700万円
平成32年4月1日~平成33年3月31日
1,000万円
500万円
平成33年4月1日~平成33年12月31日
800万円
300万円

住宅等新築にかかる消費税が10%の場合

住宅の新築等の契約締結日
省エネ等住宅の場合
省エネ等住宅でない場合
平成31年4月1日~平成32年3月31日
3,000万円
2,500万円
平成32年4月1日~平成33年3月31日
1,500万円
1,000万円
平成33年4月1日~平成33年12月31日
1,200万円
700万円

↑全て平成28年11月28日改正後の数字です。↑

省エネ等住宅と認められるためには、住宅性能証明書、建設住宅性能評価書等の証明書が必要となります。また、贈与をする人の年齢は問われませんが、贈与を受ける子どもや孫が20歳以上で、年収が2,000万円以下であることが条件です。

>>「子や孫への住宅購入資金の贈与は非課税!相続税の節税になります」

結婚・子育て資金の一括贈与

子どもまたは孫が、父母または祖父母から将来の結婚資金・子育て資金を前倒しで一括贈与を受けた場合、後々結婚や子育てに利用したことを証明できれば1,000万円までの贈与は贈与税がかかりません。(贈与は平成31年3月31日までに実施しなければなりません。)

なお、贈与をする人の年齢は問われませんが、贈与を受ける子どもや孫が20歳以上50歳未満でないと適用されません。また非課税枠1,000万円のうち結婚資金は300万円までです。

配偶者に対する居住用不動産の贈与

仲睦まじい夫婦のことを「おしどり夫婦」といいますが、この規定は「おしどり贈与」と呼ばれており、婚姻期間が20年以上の配偶者間での居住用不動産の贈与については2,000万円までの贈与は贈与税がかかりません。(110万円の基礎控除とは別枠)

なお、「おしどり贈与」を実施しなくても居住用不動産については「小規模宅地等の特例」という相続税法上の優遇規定も存在します。

そのため、贈与の際の登記費用や将来の相続税率によっては、結果として節税にならない場合もありますので、贈与を実施する前には相続専門の税理士に相談するようにしましょう。

対策⑥ 生命保険が無理でも「個人年金保険」に加入

相続税対策に「生命保険」を利用することは定番中の定番です。

なぜなら、生命保険の保険金には非課税枠(500万円 × 法定相続人の数)が設けられているため、現金や預金として財産を残すよりも相続税を節税できるからです。

この非課税枠は絶対に確保すべきです。(確保するまで死ねませんよ!)

たとえば、法定相続人が「妻と長男と長女の3人」の場合、500万円 × 3人 = 1,500万円までの保険金は相続税が非課税となります。相続税率を30%と仮定すると1,500万円 × 30% =450万円

現金や預金として財産を残すより450万円も節税になるのです。

ただし、この記事のテーマ「死亡直前でもできる相続税対策」となると、高齢や病気等により今さら生命保険に加入することが難しい場合が考えられます。

そのような場合は、「個人年金保険」に加入することがオススメです。
>>「個人年金保険を活用した相続税対策~健康診断不要で加入可能~」

個人年金保険は、生命保険とまったく同じ節税効果(非課税枠)が存在し、さらに高齢でも健康診断不要で入れる場合が多いのです。

特に一時払個人年金保険(保険料を一括で払うもの)であれば80代でも健康診断不要で加入できる商品も多く、高齢者の相続税対策に最適です。

個人年金保険についてファイナンシャル・プランナーに話を聞きたい方はこちら

対策⑦ お墓や仏壇を購入して相続税を節税

相続税は、亡くなった人のほとんど全ての財産について課税されますが、例外的に「持っていても相続税がかからない」財産があります。

それがお墓と仏壇です。
現金で持っていたら相続税がかかりますが、墓地や墓石、仏壇を持っていても相続税がかからないのです。

つまり、生前にお墓や仏壇を買っておくことで、「お墓・仏壇の値段 × 相続税率」だけ相続税を節税できるのです。通常お墓の購入には数百万円かかりますので意外と節税になります。

また、自分が気に入るお墓や仏壇を生前に選ぶことができる点や、家族に選んで買ってもらう負担をなくせるという点もメリットです。

最後に~高齢者の相続税対策は家族の協力が必要~

ここまで読んでいただきありがとうございます。
この記事を読んでいただいている方は「家族の余命が、あまり長くない方」が多いのかと思います。

本当は生前贈与を実施したくても、実は遺言書を残したいと思っていても、言い出せなかったりもうそのエネルギーが残っていないのかもしれません。

相続税対策は、被相続人の意思を尊重しながら家族みんなで行うものです。

ぜひ家族で「相続」について話し合う機会を設けてください。家族が亡くなってから相続について考えるのではなく、今できることを家族で協力して行うことが重要です。

ここまで7つの対策方法を紹介しましたが、7つの方法の共通点は「時間がかからない」という点です。1年あれば、7つ全ての対策を実施することも可能です。

何をしていいか分からなくなった時には、ぜひもう一度この記事に戻って、対策の参考にしていただければと思います。

まとめ~死亡直前でもできる相続税対策~

以上、「死亡直前でもできる相続税対策」について紹介させていただきました。

あらためてポイントをまとめてみます。

  • 預金は事前に引き出しておくこと
  • 信頼できる相続専門税理士を見つけること
  • 遺言書の準備をしておくこと
  • 生前贈与は孫などの「相続人以外の人」に実施すること
  • 贈与税の特例を使って一括で多額の贈与ができること
  • 生命保険の非課税枠は個人年金保険を利用して確保すること
  • お墓や仏壇は生前に購入すること
  • 被相続人の意思を尊重し、家族が協力して相続税対策すること

いかがでしたでしょうか。
読んでいただければ「今からでもまだ実施できる相続税対策がたくさんあること」がわかっていただけたと思います。

7つの対策のうちまずは対策②で紹介した「相続専門の税理士」を味方につけ、アドバイスをもらいながら他の6つを行うことがオススメです。

このサイトは「まだ相続税対策を始めていない初心者の方に、できるだけ取り組みやすい対策を紹介する」ことを1つのテーマにしております。

少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

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相続・相続税対策はできるだけ早く始めることが重要です!

生前贈与や生命保険の活用等の相続税対策は相続が発生した後からではほとんどできません。

今から始めることができる相続税対策を少しずつ始めていきましょう。

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