生前贈与は毎年いくら実施すべきか~限界まで相続税を節税する贈与額~

「生前贈与をすれば、どのくらい相続税を節税できるんだろう?」

「そもそも、毎年いくら贈与すればいいんだろう?」

この記事は、このような疑問を持っている方にむけて書いています。

生前贈与をすることで、誰もが将来の相続税を節税できます。

どのくらい節税できるかはもちろん条件によって異なりますが、この記事では一般的な例を用いて生前贈与を「した場合」「しなかった場合」を比較し、具体的な節税額を紹介していきます。

また、遺産の額と家族構成ごとに自分はいくら生前贈与を実施すればよいのか」がわかる表も載せました。

この記事を読めば「生前贈与によってどのくらい相続税が節税できるか」「毎年どのくらいの生前贈与を実施すればよいか」イメージできるようになっております。

ぜひご覧ください。

相続税対策としての生前贈与

まず初めに、相続税対策に生前贈与をするとはどういうことでしょうか?
(基本的なところなので読みとばしてもらってかまいません。)

相続税は、人が亡くなったときに、その亡くなった人(被相続人)の財産を引き継いだ人が払う税金です。

もちろん、引き継ぐ財産が多いほど支払う相続税は大きくなります。

そこで、残された家族が将来支払う相続税を減らすために、生きているうちに財産をできるだけ贈与しておき、死亡時の財産(子どもや孫が引き継ぐ財産)を減らすのです。

死亡時の財産が減れば、将来子どもや孫が負担する相続税を減らすことができますね。

これが生前贈与です。

生前贈与は、贈与する額を間違えなければ、誰もが相続税を節税できる最も基本的な相続税対策です。

生前贈与による節税金額~実施した場合としなかった場合の比較例~

それでは、生前贈与を「実施した場合」と「実施しなかった場合」を比較し、どのくらい節税ができるのか以下の例で見てみます。

前提条件

  • 被相続人・・・父
  • 相続人・・・母、長男(25歳)、長女(22歳)の3名
  • 相続財産・・・生前贈与実施前で4億円
  • 贈与期間・・・10年
  • 贈与税は子供2人が毎年負担する税額の合計
  • 父の相続開始前3年以内の贈与価格の相続財産への加算については考慮せず

比較ケース

  • ケース1 生前贈与を実施しない
  • ケース2 子供2人に各々、毎年110万円ずつ贈与
  • ケース3 子供2人に各々、毎年310万円ずつ贈与

結果

節税金額
(ケース1との差額)
△385万△685万
ケース1ケース2ケース3
相続財産4億円3億7,800万円3億3,800万円
相続税額4,610万円4,225万円3,525万円
相続税の負担率
(相続税額÷相続財産)
11.5%11.2%10.4%
贈与財産2,200万円6,200万円
贈与税額0円400万円
贈与税の負担率
(贈与税額÷贈与財産)
0%6.5%
合計負担額
(相続税と贈与税総額)
4,610万円4,225万円3,925万円

この例では生前贈与を実施しなかったケース1に比べ、ケース2では385万円の節税ができ、ケース3では685万円の節税ができました。すごく大きいですよね!


1年間に1人110万円までの贈与には贈与税が課税されないので、ケース2がケース1より節税できるのは当然です。
これは、誰もが実施できる相続税対策です。

次に、ケース3がケース2よりも節税効果が大きかった点に注目します。
ケース3では10年間で子供に合計400万円の贈与税が課税されますが、それ以上に相続税が安くなっているため、相続税と贈与税の総額としてケース2以上に大きな節税となっています。

では、毎年どの程度の金額を贈与すれば最も効果的な節税ができるのでしょうか?

上の表の「相続税の負担率」と「贈与税の負担率」に注目して以下で説明していきます。

生前贈与は毎年いくら実施すべきか~相続税をできるだけ節税するために~

相続税と贈与税の「負担率」を比較することが、毎年の贈与金額を決定する際の目安となります。

相続税の負担率 = 相続税額 ÷ 相続財産 × 100
相続財産
(基礎控除前)
配偶者がいる場合配偶者がいない場合
子供1人子供2人子供3人子供1人子供2人子供3人
1億円3.9%3.2%2.6%12.2%7.7%6.3%
2億円8.4%6.8%6.1%24.3%16.7%12.3%
3億円11.5%9.5%8.5%30.6%23.1%18.2%
4億円13.7%11.5%10.4%35.0%27.3%22.5%
5億円15.2%13.1%11.9%38.0%30.4%26.0%
7億円17.5%15.5%14.1%41.9%35.0%30.3%
10億円19.8%17.8%16.6%45.8%39.5%35.0%
20億円23.3%21.7%20.6%50.4%46.6%42.9%
  1. まず、上の「相続税の負担率」の表を見ます。
    今回の例では相続財産4億、配偶者と子供2人ですから、11.5%が「相続税の負担率」です。
  2. 次に、下の「贈与税の負担率」の表を見ます。
    C列を上から見ていき、11.5%以下で最大となる「贈与税の負担率」は11.3%です。
  3. 11.3%までは、「贈与税の負担率」の方が「相続税の負担率」より低くなり、毎年の贈与を重ねると「相続税の負担率」が下がることになります。
  4. つまり、その時のA列600万円までが、「1年間の1人当たりの生前贈与金額の目安」となります。
贈与税の負担率 = 贈与税額 ÷ 贈与財産 × 100
贈与金額(A)
(基礎控除前)
贈与税額(B)負担率(C)
(B/A)
110万円0万円0.0%
150万円4.0万円2.7%
200万円9.0万円4.5%
300万円19.0万円6.3%
400万円33.5万円8.4%
500万円48.5万円9.7%
600万円68.0万円11.3%
700万円88.0万円12.6%
800万円117.0万円14.6%
900万円147.0万円16.3%
1,000万円177.0万円17.7%

今回の例では子ども2人に対して毎年110万円(ケース2では毎年310万円)贈与しましたが、結果としては贈与額が足りなかったと言えます。

実際には毎年同じ金額を贈与するのではなく、毎年上の表を参考することでその年の贈与額の目安を知ることができます。

もっと節税するためにできる2つのこと

最後に、もっと節税したい!と思われる方へ2つの提案をさせていただきます。

  1. 生前贈与する期間を長くすること(できるだけ早くからを始めること)
  2. 「相続専門」の税理士に相談すること

この記事の例では、「相続財産が4億円」の人が「10年間」生前贈与するだけで600万円以上節税できることを紹介しました。

もちろん、生前贈与の効果は条件によって差がでますが「10年間」という期間を長くすることは可能です。
「10年」を「20年」にすれば節税効果は2倍ではなく、2倍以上になります。

つまり、生前贈与はできるだけ早くから実施することが重要なのです。

生前贈与だけではありません。

あらゆる相続税対策は、早くから取り組むことでその効果がグンと増します。

また、より専門的な相続税対策をしたい方や専門家の意見が聞きたい方は「相続税専門税理士」に相談することがオススメです。

「相続」という分野において最も専門性が高いのは「相続税専門税理士」です。

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まとめ~生前贈与は効果的な相続税対策~

以上、生前贈与を「した場合」と「しなかった場合」の例を用い「毎年いくら生前贈与を実施すべきか」について紹介させていただきました。

あらためてポイントをまとめると、

  • 生前贈与は毎年110万円の贈与でもかなりの節税になる(本例は385万円)
  • 贈与する額を吟味すると贈与税を支払ってでも総額で節税になる(本例では685万円)
  • 毎年いくら生前贈与するかは、相続税と贈与税の「負担率」を比較する
  • できるだけ早くから開始することが生前贈与の節税効果を上げるカギ
  • より専門的な意見が聞きたいときは「相続専門税理士」に相談すべし

いかがでしたでしょうか。
読んでいただけると、「生前贈与によってどのくらい相続税が節税できるか」「毎年どのくらいの生前贈与を実施すればよいか」がイメージできたと思います。

相続税対策はものすごく奥が深いため生前贈与だけで語ることはできませんが、生前贈与は相続税対策の中で最も基本的で、すぐにでも実施できることが特徴です。

現時点で何も相続税対策を実施していない方は、まず生前贈与からスタートし、少しずつ対策方法を増やしていくことがオススメです。

このサイトは「相続や税金について詳しくない方が、できるだけ早く相続税対策のスタートを切れるように」という目標を持って作成しています。

少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

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