誰がどのくらい遺産を相続するのか~5分でわかる相続人と相続分~

「家族や親せきが亡くなったとき、誰が相続人になるんだろう?」
子どもだけ?親も?孫は?兄弟も?養子は?愛人は?。。。

「相続人は、どのくらいの遺産を受け取れるんだろう?」
妻が半分?子どもが半分?じゃあ孫は???

このような疑問にお応えするために「誰がどのくらい財産を相続すればいいのか」が明確にわかるページを作成しました。

遺産を相続する人のことを「相続人」、相続する割合のことを「相続分」といいます。

遺産分割でもめないように「相続人と相続分」を理解し、早くから家族で相続について話し合うことは大切なことです。

このページを読めば「自分や自分の家族がもしもの時に、誰がどのくらい遺産を相続するのか」がはっきりわかるように紹介していきます。

例やQ&Aも載せていますので是非お役立てください。

誰が遺産を受け継ぐのか~法定相続人の範囲と順位~

亡くなった人のことを「被相続人」といい、その遺産を相続する人のことを「相続人」といいます。

相続人は遺言で指定できますが、遺言がない場合は誰が遺産を受け継ぐのでしょうか?

遺言がない場合は民法に定めらている「法定相続人」のルールに従い、次のように相続人が決まります。(「代襲相続」については次の段落で説明しています。)

ルール説明~誰が相続人になるのか~(下の図も参照して下さい)
◆被相続人に配偶者がいる場合、配偶者は必ず相続人になります。

◆被相続人に子ども(代襲相続人である孫、ひ孫等を含む)がいる場合には、子どもが配偶者とともに相続人となります。この場合、父母や兄弟姉妹が相続人となることはありません。

◆被相続人に子ども(代襲相続人である孫、ひ孫等を含む)がいない場合には、直系尊属(被相続人の父母、祖父母等)が配偶者とともに相続人となります。この場合、兄弟姉妹が相続人になることはありません。

◆被相続人に子ども(代襲相続人である孫、ひ孫等を含む)も直系尊属(被相続人の父母、祖父母等)もいなければ、兄弟姉妹が配偶者とともに相続人となります。

相続人の範囲5

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代襲相続とは~相続人が死亡していた場合~

ここでは相続人となるはずの人が先に死亡していた場合の「代襲相続」について説明をします。

第1順位の代襲相続

相続人となるはずの子が親よりも先に死亡した場合は、その死亡した子に代わって、その人の子(被相続人からみた場合は孫)が相続人となります。また子及び孫が死亡していれば、ひ孫が相続人となります。これを代襲相続といいます。

また、代襲相続は、元々の相続人の代りに相続を受けるので、子の代襲相続人である孫は第1順位の相続人となります。この場合、直系尊属や兄弟姉妹が相続人となることはありません。

第3順位の代襲相続

代襲相続は兄弟姉妹(第3順位の相続人)が死亡している場合にも適用されますが、この場合は兄弟姉妹の子(被相続人からみて甥・姪)までに限られ、甥・姪が死亡していてもその子どもにまでは適用されません。

つまり、第1順位の代襲相続の場合は孫、ひ孫、やしゃごと続きますが、第3順位の相続人の場合は代襲は甥・姪までの1回限りです。

また、第2順位に代襲相続は存在しません。

どのぐらい遺産を受け継ぐのか~相続人の法定相続分~

相続人が決まれば、次はそれぞれの相続人が遺産を引き継ぐ割合「相続分」が問題となってきます。

相続分も遺言によって指定できますが、遺言がない場合はどうなるのでしょうか?

遺言がない場合は、相続人の話し合いによって互いの相続分を決定することになりますが、その際民法に定められた以下の「法定相続分」が大きな目安となります。

相続順位相続人法定相続分
備考
第1順位配偶者1/2①子が複数いるときの相続分は均等となります。
②非嫡出子の相続分は嫡出子の相続分の1/2となります。
1/2
第2順位配偶者2/3直系尊属が複数いるときの相続分は均等となります。
直系尊属1/3
第3順位配偶者3/4①兄弟姉妹が複数いるときの相続分は均等となります。
②父母いずれか一方を同じくする兄弟の相続分は
父母双方同じ兄弟の1/2となります。
兄弟姉妹1/4

配偶者の相続する割合が一番多くなっていることが分かりますね。
自分の家族構成を思い浮かべながら、以下の例↓で相続分を確認してみてください。

例 色々な家族構成で相続分を確認しよう

被相続人(亡くなった方)の家族構成が次の場合、法定相続分は以下のようになります。

例①配偶者と長男と次男の場合
⇒配偶者:1/2 長男:1/4 次男:1/4
(子ども2人が法定相続分1/2を2人で均等に分けることになります。)

例②配偶者と長男と次男と孫の場合
⇒配偶者:1/2 長男:1/4 次男:1/4 孫:0
(孫がいても①と同じになります。子どもが生存しているので孫には権利がありません。)

例③配偶者と父親と母親
⇒配偶者:2/3 父親:1/6  母親:1/6
(両親は法定相続分1/3を2人で均等に分けることになります。)

例④配偶者と弟1人
⇒配偶者:3/4 弟:1/4
(第1順位の子どもも、第2順位の直系尊属もいないため、第3順位の兄弟姉妹が相続人になります。)

例⑤父親と弟1人
⇒父親:全額 弟:0
(第2順位の父が存在するため、第3順位の兄弟姉妹は相続人になりません。)

例⑥配偶者と孫2人と弟1人
⇒配偶者:1/2 孫A:1/4 孫B:1/4 弟:0
(子どもがいないですが代襲相続で孫が第1順位となり、第3順位の兄弟姉妹は相続人になりません。)

注意
代襲相続人の相続分は、本来相続人となるはずだった人の相続分と同じになります。(例⑥参照) 

遺言がある場合は遺言が優先されます

これまでは「遺言がない場合はどうなるのか?」という視点で紹介してきましたが、遺言がある場合はもちろん遺言が優先して適用されます。

遺言には基本的に何を書いても自由ですから、遺族が遺産相続で争わないようにあらかじめ遺言を準備しておくことはとても重要なことです。

遺言で愛人に全財産を相続させられるか?~遺留分は請求できる~

では、遺言に「財産の全ては愛人に相続させる」と記載されていたらどうなるのでしょう?

財産を奪われる遺族はたまったもんじゃありませんね。

そこで、遺族の生活保障を図るために「遺留分」という制度が設けられています。

「遺留分」とは、被相続人(亡くなった人)の一定の近親者のための、相続財産の最低保障額をいいます。(一定の近親者とは兄弟姉妹以外の相続人をいいます。)

遺留分は、次のように定められています。

遺留分

上図のように、残された家族は通常1/2、最低でも1/3の財産は請求すれば返してもらうことができます。

注意
「愛人に全財産相続させる」という遺言そのものは有効です。遺言は有効ですが、遺留分は「返してもらう権利」があるということです。

Q&A ~複雑な家族構成の相続人~

ここまで「誰がどのくらい相続すればいいのか?」について、基本的な内容を紹介させていただきました。

少しマニアックになりますが、より詳しい内容について知りたい方は以下のQ&A↓で確認していただければと思います。

Q1 愛人との間に生まれた子は相続人になりますか?

なります。

正式な婚姻関係のもとに出生した子を嫡出子、愛人との間に生まれた子(正式な婚姻関係外のもとに出生した子)を非嫡出子といいます。

非嫡出子も相続人となりますが、被相続人が男性である場合には、被相続人の認知を必要とします。被相続人が女性である場合には出産という事実により親子関係が明確ですので認知を必要としません。

ただし、非嫡出子の相続分は、嫡出子の相続分の1/2となります。

なお、愛人は配偶者としての地位がないため相続人とはなりません。愛人に相続財産を相続させたい場合は、正式な遺言書が必要となります。

例(被相続人に、配偶者及び嫡出子2人と非嫡出子1人がいる場合)を以下に示します。

 配偶者嫡出子A嫡出子B愛人非嫡出子
(愛人との子で認知済)
相続人?
YesYesYesNoYes
法定相続分1/21/51/501/10

Q2 前妻との子は相続人になりますか?

なります。

被相続人にとって前妻(夫)との子は現在の妻(夫)との子と同様相続人になり、法定相続分も同じです。

ただし、前妻(夫)は既に配偶者としての地位を失っているので相続人にはなりません。

Q3 妻の連れ子は相続人になりますか?

なりません。

被相続人にとって配偶者の連れ子は、実子でも養子でもないため相続人にはなりません。

相続権を与えたければ養子縁組を利用して妻の連れ子を養子にする必要があります。

Q4 養子は相続人になりますか?

なります。

養子とは、養子縁組によってその人の子となった人をいいます。養子は実子と同様相続人になり、法定相続分も同じです。

例(被相続人に、配偶者及び実子1人と養子1人がいる場合)を以下に示します。

 配偶者子A
(配偶者との子)
子B
(養子)
相続人?YesYesYes
法定相続分1/21/41/4

なお、養子制度には

  1. 普通養子制度・・・自然血族関係は消滅しない
  2. 特別養子制度・・・自然血族関係は消滅する

が存在します。上の例でいうと、普通養子制度の場合子Bは実父・実母との血縁関係は消滅しませんので、これらの者の相続人にもなります。

Q5 お腹にいる子は相続人になりますか?

なります。

相続人の第1順位である「子」は、

  1. 嫡出子(正式な婚姻関係のもとに出生した子)
  2. 非嫡出子(正式な婚姻関係外で出生した子)
  3. 養子(養子縁組による子)
  4. 胎児

が含まれます。したがって、被相続人が死亡時点において配偶者のお腹の中にいる子(胎児)は通常の子と同様相続人となり、法定相続分も通常の子と同じです。

Q6 異母兄弟や異父兄弟は相続人になりますか?

なります。

被相続人に子や孫、両親や祖父母がいない場合には、第3順位の兄弟姉妹に相続権がうつります。

このとき異母兄弟・異父兄弟であっても、両親が同じ兄弟姉妹と同様に法定相続人となります。

ただし、異母兄弟・異父兄弟の法定相続分は、両親が同じ兄弟姉妹の1/2となります。

例(被相続人に、配偶者及び両親が同じ兄弟1人と異母兄弟1人がいる場合)を以下に示します。

 配偶者両親
(既に死亡)

(両親が同じ)

(異母兄弟)
相続人か?YesYesYes
法定相続分3/41/61/12

Q7 被相続人の子が相続を放棄すれば孫が相続できますか?

できません。

家庭裁判所に相続放棄申述書を提出し相続を放棄すれば、被相続人の遺産(財産も借金もすべて)承継しないことができます。

相続を放棄する具体的なケースとしては、被相続人が明らかに債務超過である場合や、相続争いに巻き込まれたくない場合等が考えられますが、相続を放棄した場合、その放棄者の子が代わって相続すること(代襲相続)はできません。

例(被相続人に、配偶者及び子2人と孫2人がいて、子の1人が相続を放棄した場合)を以下に示します。

 配偶者子A
(以前死亡)
孫a
(子Aの子)
子B孫b
(子Bの子)
相続人か?YesYes放棄No
法定相続分1/21/2

まとめ~誰がどのくらい遺産を相続すればいいのか~

以上、誰が遺産を相続し(相続人)、どのくらい財産を引き継ぐことができるのか(相続分)について紹介させていただきました。

あらためてポイントをまとめると、

  • 誰が相続人になるかは民法で決まっており、法定相続人という。
  • 配偶者と子どもは常に法定相続人だが、親や兄弟は家族構成によって相続人になるかが変わる。
  • 財産を引き継ぐ割合「相続分」も民法で決まっており、法定相続分という。
  • 法定相続分は配偶者と子どもが一番多い。
  • 遺言は法定相続人や法定相続分より優先して適用される。
  • ただし遺留分を超える遺言に対しては、請求すれば返還できる。

いかがでしたでしょうか。
読んでいただければ「誰がどのくらい遺産を相続すればいいのか」がわかっていただけたと思います。

相続税対策で重要なことは「いくら節税できるか」だと思われがちですが、最も大切な相続税対策は「早くから家族で相続について話合う」ことです。

相続が原因で家族がバラバラになることは、残念ながら本当によくあります。

そうならないためにも、家族にもしものことがあったとき「誰がどの財産を引き継ぎどれだけの相続税を払うか」は、税理士も交えて早くから相談しておきましょう。

少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

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