相続税対策の体験談2~アパート経営を始めたが入居率が不安に~

「相続税対策の体験談を聞きたい」

「本には書いていないリアルな思いが聞きたい」

このような声にお応えすべく、現在進行形で相続税対策をされている方の体験談を紹介させていただきます。

体験者の旦那様は、自ら相続税対策のセミナーに参加し、10年前におもいきって「アパート経営」をスタートしました。

さて10年経った今、節税目的で購入したアパートはどうなっているのでしょうか?
体験者は今、何を感じているのでしょうか?

アパート経営による相続税対策を考えている方には、特に読んでいただきたい内容です。

是非ご一読ください。

夫の定年退職~退職金が予想以上の金額に~

私の夫は大学を卒業した22歳から40年以上メーカーで営業を行っていました。私も夫も、現在75歳です。

勤務先の会社は、夫の就職時点ではそこまで大きくない会社だったのですが、バブル崩壊などを乗り越え、今や一部上場企業になっています。

夫は出世欲が強い方ではなかったのですが、まじめで正直に営業畑で頑張ってきたことを認めてもらえ、定年前には支店長になっていました。

そんな夫も15年前、定年退職を迎えました。私は夫の口座に入金された退職金の金額を見てビックリしました。なんと5,000万円も入金されていたのです。いくらかはもらえるだろうとは思っていましたが、さすがにここまで高額とは思ってもいませんでした。

改めて夫の頑張りに感謝しました。

メインバンクからの電話で相続税対策がスタート

夫が退職してから半年経ったころ、普段からメインバンクにしている銀行から電話がありました。内容は、老後の資産運用について話がしたいとのことでした。

営業の方が自宅まで訪問して下さるというので、私たち夫婦も話だけは聞いてみようということになり、後日銀行の方とお会いしました。

資産運用の話ということでしたが、銀行の方が最初におっしゃったのが「相続税対策」についてでした。

相続税は裕福な家庭だけに関係のある話だと考えていたのですが、退職金を頂いたこともあり、このままいけば息子に相続税がかかってしまうと言われました。

まさか息子に相続税を負担させることになるとは。。。そこから「相続税対策」についての情報収集が始まりました。

夫は定年後時間を持て余していたこともあり、自ら相続税対策のセミナーを見つけては参加するようになりました。

え?アパート経営??

数々の相続税対策のセミナーに参加した夫ですが、ある一つの大きな決断を下しました。

それは「アパート経営」をすることです。

「アパート経営は節税になる!5,000万円の預金をアパートにすると相続財産は3,500万円として評価される。30%も相続財産を圧縮できるんだ」夫は何度もこう言っておりました。

昔から大事なことは自分一人で決めてしまうところがあり、私はいつも不安ながらも黙って付いてきたのですが、さすがに今回ばかりは驚かされました。しかも預金を使うだけではなく、アパートの建築にあたって銀行からの借入も行うというのです。

私はかなり反対したのですが、受け入れてもらえませんでした。半年後メインバンクからの借入が決定し、建設会社に依頼の上さっそく建設がスタートしました。

アパートの経営については、不動産管理会社にすべて管理を任せて家賃保証をしてもらうことも可能でした。

しかし不動産管理会社に支払う手数料がかさむことを理由に管理もすべて自ら行うことになりました。

この時点で、夫自身はアパート経営に生きがいを感じているようで、私はもう何も口出しできませんでした

建築後10年経って・・・

建築から数年間はとても順調に推移しました。常に満室で、賃貸料収入から税金などを引いても十分手元に現金が残るような状態でした。

ところが、建築後10年が経つころから徐々に空室が出るようになったのです。

アパート経営は入居率が全てです。特に、建設時に不動産会社に家賃保証してもらわなかった私たちにとっては大ダメージです。

来る日も来る日も、入居率のことで頭を悩まされます。

収入は減っても固定資産税は毎年かかりますし、所得税もかかります。それに加えて年数が経つごとに修繕費も発生し、銀行借入ももちろん残っています。

現在は、家賃収入だけでは様々な支払いをまかなえません。預金を取り崩している状態です。

今後が不安に~このアパートはどうすれば。。。~

たしかにアパート経営で相続税は節税できるようです。インターネットで調べても、税法上お得なようです。

でも私は、今の資金繰りを考えると相続税より今後の生活が不安でなりません。

せっかくの退職金はアパートになってしまいましたし、借金もまだまだ残っています。

もしも今、夫に先立たれたら、私はどうしたらいいのでしょう?

今後もう少し入居率が上がるか、物件がいい値段で売れるならもう売却してもいいのでしょうか。。。。そんなことを考えるのも大変なストレスです。老後はもっと安心してゆっくりと過ごしたかったのに。。

これから相続税対策をされる方には、リスクも充分に検討したうえで行っていただきたいと心から思います。

考察~体験談から考える相続税対策~

いかがでしたでしょうか。

この体験談は現在進行形のため、成功とも失敗ともいえません。しかし、少なくとも以下のことを教えてくれています。

相続税対策は、

  • 「節税」だけが全てではない
  • 家族全員が納得した方法で行うべき
  • リスクを充分に検討してから行うべき

また今回の場合、そもそも事前に税理士に相談していれば「アパート経営」のみを実施することにはならなかったと考えられます。

相続税対策の方法はものすごくたくさんあるため、相続専門の税理士に相談し、リスクを分散させながら複数の方法を実施するべきです。

このサイトは、相続税対策で最も大切なことは「節税」ではなく、「早くから家族で相続について相談し、相続の準備をすること」だと考えて作成しております。

別の体験談では、早めに家族で会議したことで相続税対策が成功した例もございますので、ぜひご覧下さい。

>>「相続税対策の体験談~税理士と家族で相続会議~



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