相続税申告を自分で行う場合の注意点とデメリット~税理士は必要なのか?~

「相続税の申告は、自分の力でできるのかな?」

「できれば自分でやりたいけど、税理士に頼んだ方が安心かな。。」

「でも税理士に払う報酬も高いだろうし。。。」

この記事は、こんな悩みを持っている方に向けて書いています。

現在、多くの方が税理士に依頼して相続税の申告をしています。ところがその中には、わざわざ税理士に頼む必要のない方も多くいるのが事実です。

逆に、複雑な申告が必要で本来なら税理士に依頼するべき方が、自分の力で申告をするのはハイリスクです。

この記事を読めば「どのような場合に相続税申告を自分で行うべきか」、「相続税申告を自力で行うときのポイントやデメリット」がはっきりとわかるように紹介していきます。

これから相続税の申告をされる方や、将来申告が必要となる方はぜひ参考にしてください。

なぜ相続税の申告をみな税理士に依頼するのか

所得税の確定申告は多くの方が自分で行っているにもかかわらず、相続税の申告はほとんどの方が税理士に依頼します。

いったいなぜでしょうか?

誤解を恐れずに書くと、多くの方が税理士に頼む理由は次の3つだと感じます。

  1. 相続した金があるから(税理士に払える金がある)
  2. 書類の作成がわからないから
  3. 税理士に頼んだ方が安心だから

実は①が大きいのです。多額の財産を相続した方にとって、その数パーセント程度なら払っても大したことはないと思ってしまうようです。

自分で申告できる場合でも、わざわざ高い報酬を税理士に払うのはもったいないですね。(税理士にとってはありがたいですが。。。)

相続税申告の税理士報酬はいくら?~自分で申告すればこんなにお得!~

相続税の申告を自分で行えば「税理士報酬がかからない」という大きなメリットを得ることができます。

報酬の額はもちろん税理士によって異なりますが、ざっくりとした相場は「遺産総額の5%~10%」です。参考程度の数字ですが、もし申告を自分の力で行えば以下の金額を浮かすことができるのです。

遺産総額ごとの税理士報酬の相場(参考)

遺産総額
税理士報酬の相場
遺産総額
税理士報酬の相場
5,000万円
25万円~50万円
1億円
50万円~100万円
6,000万円
30万円~60万円
2億円
100万円~200万円
7,000億円
35万円~70万円
3億円
150万円~300万円
8,000億円
40万円~80万円
4億円
200万円~400万円
9,000億円
45万円~90万円
5億円
250万円~500万円

参考サイト:相続税の税理士費用の相場について、いくらかかる?

相続税申告を自分の力で行うことができる場合

では、相続税の申告を自分の力で行うことができるのはどのような場合でしょうか?

以下のような場合には、税理士に頼む必要はありません。

①遺産総額が5,000万円以下の場合

遺産総額が5,000万円以下の場合は、相続税申告に関するリスクがほとんどありません。

相続税は、遺産総額が大きいほど税額が大きくなり、さらに申告を間違えたときのペナルティも大きくなります。ところが遺産総額が5,000万円以下の場合は、かかってくる相続税も少額ですし、万が一間違えて申告しても課されるペナルティは大したことありません。

税理士に依頼して報酬を払うほうが損という場合が多いです。相続の勉強をする時間のある方や、税務や会計に慣れている方なら自分で申告しましょう。

②遺産の内容がシンプルで、遺産の中に「土地」がない場合

「この土地はいくらか?」と土地を評価することが、相続税申告の中で最も難しい作業です。

もっと言えば、土地の評価は税理士に頼んだからといって安心できません。土地は1つ1つに個性があり、まったく同じ土地というものが存在しません。税理士によっても評価額に差が出るものなのです。

相続に関する専門性の高い税理士であれば、以下のような事項を1つ1つ検討し、土地の評価額を下げることで相続税を少なくすることが可能です。

  • 土地の間口が狭くないか
  • 土地の奥行きが長くないか
  • 不整形地(使いにくい形)に該当しないか
  • がけ地が含まれていないか
  • 広大地に該当しないか
  • 道路の中心線から近すぎないか
  • 空中に高圧線が通っていないか
  • 道路に面しているのか
  • 道路との高低差が大きくないか

逆に、遺産の中に土地がなく、現金・預金・株などで構成されている場合には、申告を間違うリスクが減るため、自分の力で申告できる可能性が高くなります。

③相続税が0円ということを申告する場合

相続税が0円でも相続税の申告が必要となる場合があるのをご存知ですか?

以下の場合には相続税が0円でも、0円だということを申告しなければなりません。

  1. 配偶者の税額軽減制度を利用した結果として、相続税がかからない場合
  2. 小規模宅地等の特例を利用した結果として、相続税がかからない場合
  3. ①と②両方を利用した結果として、相続税がかからない場合

このような場合、遺産の額によらず「相続税が0円」ですから相続税申告に関するリスクは低いです。

税理士に依頼すると「私のおかげで税金が0円になった」と報酬を要求してきます。相続税がかからないのに税理士に報酬を払うのはもったいないですし、時間がある方は自分で申告をすることがオススメです。

注意
唯一のリスクは「小規模宅地等の特例」を本来は利用できない方が利用できると勘違いして申告するパターンです。「小規模宅地等の特例」を利用できるかを一度税理士に確認し、申告自体は自分で行えば税理士報酬を浮かすことができます。

相続税申告を絶対に税理士に依頼するべき場合

では逆に、どのような場合なら相続税申告を税理士に依頼するべきなのでしょうか?

以下のような場合は、絶対に自分の力だけで申告を行ってはいけません。必ず税理士の力を借りましょう。

①遺産総額が2億円を超える場合

遺産総額が2億円を超えるような場合、かかってくる相続税も1,000万円を超えてきます。こうなると絶対に素人だけの力で申告を行ってはいけません。ちょっとした判断の違いで金額が大きく変わりますし、万が一申告を間違えたときのリスクが高過ぎます。

「自分で申告を行うか」ではなく、むしろ「いかに相続の専門性が高い税理士を見つけるか」が重要です。

②遺産の中に不動産が多い場合(特に土地)

「土地の評価」は評価する税理士によっても異なるということを既に紹介しましたが、「相続に関する知識や経験」があるほど土地を安く評価できるものなのです。

この分野は素人が手を出すべきではありません。繰り返しになりますが、「いかに相続の専門性が高い税理士を見つけるか」が重要です。

③事業承継(会社を相続)する場合

事業承継は、中小企業のオーナーにとって最も重要なテーマであり、相続税申告においては遺産の大半を非上場株式(自社株式)が占めるパターンが多いです。

自社株式の評価は、土地の評価と並ぶほど奥が深いテーマのため、相続税の申告のみならず「相続税対策」の段階から専門の税理士に相談するべきです。

専門税理士を探す参考記事はこちら
>>「相続税専門税理士の探し方5選」

相続税申告を自分で行う方法と手順

では次に「自分で相続税申告を行う方」に向けて、申告の手順を紹介していきます。

相続税申告書は第1表~15表まであり難しそうに感じるかもしれませんが、遺産の内容がシンプルな場合や相続人の人数が少ない場合はそこまで難しくはありません。

手順①税務署で相続税申告書の用紙を入手する
所得税の確定申告はインターネットを使うことが主流ですが、相続税の申告は申告書の用紙を税務署で入手することが必要となります。

手順②預金の残高証明書や株式の預かり証など、遺産の資料を収集する
相続税の申告は申告書だけではなく、遺産額を証明する書類を添付して提出しなければなりません。そのため、預金であれば銀行から、株式であれば証券会社から残高を証明する書類を収集します。なお、国税庁が資料漏れを防ぐチェックシートを出しておりますのでこちらを参考にすることができます。
相続税申告に必要な資料

手順③相続税申告書へ記入する
相続税の申告は、本来自分で行うことが想定されていますので、税務署から申告の手引が送付されます。また本屋に行けば申告方法をもっとわかりやすく解説した本もあります。それでもわらかない点は、税務署に直接質問することも可能です。

相続税申告を自分で行うデメリット

ここまで「相続税申告を自分の力でできる場合とその方法」について紹介してきました。むだな税理士報酬なら払う必要はないですので、自分でできる方はぜひ挑戦していただけたらと思います。

ただし、実際に自分で相続税申告をされる方は、以下のようなデメリットを知った上で行いましょう。

デメリット① かなりの時間と労力がかかる

相続税は、相続が発生(死亡)してから10カ月以内に申告と納付をしなければなりません。期限に遅れれば遅れるだけペナルティとして余分にお金がかかります。

家族が亡くなってバタバタしている中の10カ月は意外とあっという間です。また、素人の方が書類を集めたり相続税の勉強をしながら申告するのはなかなか骨が折れる作業となります。

デメリット② 税務署のチェックが厳しくなり税務調査の対象となる可能性も

自力で作成した場合の申告書は「税理士の署名捺印欄」が空白になります。

それ自体は問題ではないのですが、税務署から見ると「この申告書は税理士のお墨付きではない」ということが一目でわかりますので、当然通常よりチェックが厳しくなり税務調査にあたる可能性も高くなります。

デメリット③ 相続税が本来より高くなる可能性がある

相続税法の中には、色々な「特例」や「優遇」規定が存在するため、自分に当てはまるものを適用し忘れれば本来支払うべき相続税よりも高い額を申告・納付することになりかねません。税務署はさすがにそこまで親切ではないため、最後まで気付くことなく損をしている可能性があります。

また、もし間違えて申告をしてしまうと追徴課税というペナルティがあります。税理士報酬が浮いてもペナルティが多額となれば結果として損をする可能性があります。

相続税のペナルティに関する参考記事はこちら
>>「相続税を払わなかったらバレる?どうなる?~無視した場合のペナルティ~」

最後に~もし税理士に頼むなら相続の専門性の高さで選ぶべし~

ここまで読んでいただいて、相続税の申告を「自分で行うか」「税理士に依頼するか」方針は決まりましたか?

最後になりますが、もしこの記事を読んで相続税の申告を「税理士に依頼する」と決めた方でも、それで安心ではありません。

「相続」という分野はものすごく専門性が高いため、どの税理士に依頼するかによって計算される相続税額が変わってくるものです。税理士の中でも「相続」に関してはその知識と経験に大きな差があり、専門性の高い税理士ほど相続税を安く抑えることができます。

法人税や所得税の「顧問税理士」にそのまま相続税の申告を依頼したり「報酬の安さ」で税理士を選ぶことは絶対にやめましょう。相続税の申告は必ず「相続に関する専門性の高さ」を基準に選ぶべきです。

では、どのように相続に関する専門性の高い税理士を選べばいいのでしょうか?

このサイトでオススメしている方法は「税理士紹介サイト」の利用です。税理士紹介サイトとは、相談内容を記載すればその専門の税理士が無料で紹介してもらえるサービスです。

相談や条件を何文字でも自由に記載できるため、「こういう税理士をお願いします」とはっきり提示すれば、その条件から外れる人が担当になることはあり得ません。使い方もとても簡単ですので「一度税理士に話を聞いてみたい」という方はぜひ利用してみてください。

税理士紹介サイトを賢く利用する方法はこちら
>>「相続税専門税理士を探す最適な方法」

まとめ~相続税申告を自分で行う場合の注意点とデメリット~

以上、相続税申告を自分で行う場合のポイントやデメリットを紹介させていただきました。

あらためてポイントをまとめると

  • 相続税申告を自分で行うメリットは「税理士報酬がかからない」こと
  • 「自分で申告できる場合」に当てはまればぜひ自分で申告しよう
  • 「税理士に相談するべき場合」に当てはまったら必ず税理士に相談しよう
  • 自分で申告する場合は税務署で申告書を入手し、チェックリストを見て書類を集めよう
  • 自分で申告する場合はそのデメリットを理解してから申告しよう
  • 税理士に依頼する場合は必ず相続に関する専門性の高さで税理士を選ぼう
  • 専門性の高い税理士を選ぶ方法は「税理士紹介サイト」を利用することがオススメ

いかがでしたでしょうか?

「相続税の申告は税理士に依頼する」というのが一般的になっていますが、本来相続税の申告は自分で行うことが想定されています。今回紹介した「自分の力で行うことができる場合」に当てはまる方は、ぜひ自分で申告することを検討してみてください。

また、計算される相続税の金額は担当する税理士によっても変わります。「税理士に申告を依頼する方」は、報酬の安い税理士やこれまでの顧問税理士に安易に依頼するのではなく、必ず「相続に関する専門性の高さ」で選ぶようにしましょう。

この記事が、適切な相続税申告のために少しでもお役にたてれば幸いです。

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